ワークマン式「しない経営」土屋哲雄専務 ダイヤモンド社

◆ワークマン式「しない経営」土屋哲雄 ダイヤモンド社
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下手なケーススタディより断然、面白かった。もはや書籍仕立てのケーススタディと云ったほうが適切か。そして、4章の「エクセル経営」はDX化へのチャレンジの軌跡とも言えそうだ。

タイトルの「しない」の数々には、日本の企業で慣例的に行われていることが多い。土屋専務は、それらを数字にならないコストや負債と認識して、頭の中で損益計算書や貸借対照表に計上しているのではなかろうか。

一方、「しない」に目が行きがちな本書であるが、
・市場の選定・ポジショニングの妙
・OneToOneマーケティング(顧客管理)は、敢えてしない(しなくても他の方法がある)
・性善説(善意)を優先することによって得られるコスト削減効果
といった視点も非常に興味深い。

また、前出の「エクセル経営」においては、ツールは「使える」ではなく「使い方」が大事なことを示唆している。

人材育成の面においては、レベル5のスター・プレーヤーの発掘や伸長ではなく、3のプレーヤーをいかに4にしていくのか視点になっており、キーエンスの人材教育と近いものを感じた。それは、全員参加型のリスキリングともいえる。

3章に出てくる「頑張ってできても意味がない」には、昭和生まれの土屋専務による、昭和的マネジメントに対する真っ向からの否定の意味が込められ、仕組み化・再現性による生産性向上の重要性が説かれている。

「しない」ことだけでなく、意味ある「すべきこと」が多く隠されている書だ。

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